
みなさんこんにちは。
本日は依然クレーン車免許の記事で少しだけ触れた「玉掛け」について解説していきたいと思います。
その記事は下に貼っておきますのでご覧になってない方は見て頂けると嬉しいです。
記事:クレーン車を運転したい!?~移動式クレーンの免許制度について紹介!!~
1.「玉掛け」とは
実はクレーン車の免許を持っているだけでは荷物をクレーンのフックにかけるという業務ができません。
まあ正確に言えば「移動式クレーン運転士免許」と「小型移動式クレーン技能講習」のどちらかを保有していれば「クレーンの最大吊上げ荷重が1t未満のものなら玉掛けしてもよい」ということになっていますが、そもそも最大吊上げ荷重が1t未満のクレーンはかなり少ないので、できないと思っていただいた方がいいと思います。
「ラフテレーンクレーン」や「オールテレーンクレーン」などクレーンの運転席に乗り込んで操作するものの場合は玉掛けする際にはいちいち運転席から出てこないといけなくなるため、クレーンを運転する人自体が玉掛けすることは少ないですが、「車両積載型トラッククレーン」の場合はクレーンがラジコンで操作することができるので、玉掛けを含めた作業を1人ですることが多くなるのではと思います。
ちなみにクレーン車の種類についての解説は記事にしておりますので下に貼っておきますね。
記事:クレーン車とはなんぞや!? ~色んなクレーン車について紹介!!~
ですので、「クレーン運転の資格」しか保有していない場合は「玉掛けの業務」自体ができない可能性が高い訳です。
玉掛けの作業をしようと思えば今回ご紹介する玉掛けの資格が必要となってくる訳です。
・そもそもなんで「資格」になっているの?
ここで何故荷物をフックに引っかけるという業務が「資格」にまでなっているのかという疑問を持った方がいると思います。
今からその理由を説明します。
クレーン車で荷物を吊上げるということは荷物を宙に浮かせるということです。
この荷物が吊上げた時や吊上げて移動している最中に荷物が落ちてきたらどうなると思いますか?
もし万が一にでも人の上に落ちてきたら…
考えるだけでゾッとします。
荷物自体にフックに引っかける場所があるようなものならいいですが、そんなものはなかなかありません。
クレーンで吊上げるような荷物は資材など形がいびつなものが多いです。
なので重心位置がバラバラというのもあってバランスよく吊上げることはかなり難しいです。
そしてクレーンで荷物を吊上げる際は「ワイヤー」や「ベルトスリング」といった吊具を用いて玉掛けをすることが多いですが、間接的に荷物を吊上げるような状態となっているためバランスを崩すと落下の危険性が高くなります。
実際、毎年100人から200人がこの玉掛けが原因の事故で亡くなっています。
「少ない」と思ったあなた。
命はひとつしかないかけがえのないものです。
事故はゼロでなければ何の意味もありません。
「ちょっとぐらいいいか」という精神が事故を引き起こすのです。
ですので「資格」というものになっています。
次に玉掛けの資格について紹介していきます。
2.「玉掛け」資格の紹介
・玉掛けの業務に関わる特別教育
まず始めに紹介するのが「玉掛けの業務に関わる特別教育」です。
この講習を受講することで、最大吊上げ荷重が1t未満のクレーンの玉掛け業務が可能になります。
(荷物の重さではなくあくまでクレーンの最大吊上げ能力で決まるのでご注意下さい)
講習は全国のクレーンの教習所などで受講できます。
講習時間は「学科」と「実技」で9時間ほどです。
ちなみに最初に言いましたが「移動式クレーン運転士免許」と「小型移動式クレーン技能講習」を保有していればこの資格が付属してくるので受講する必要がありません。
その他クレーンの免許にこの資格が付属しているものもあります。
クレーン車の資格でも「特別教育」の方はこちらは付属していないのでご注意下さい。
ただ最大吊上げ荷重が1t(トン)未満のクレーンは非常に少ないのでこちらの資格の需要はあまりないらしいです。
・玉掛け技能講習
次、というか最後なんですが「玉掛け技能講習」を紹介します。
この講習を受講することで最大吊上げ荷重が1t(トン)以上のクレーンの玉掛け業務が可能になります。
こちらも講習は全国のクレーンの教習所などで受講できます。
講習時間は「学科」「実技」ともみっちりやるので20時間ほどです。
(3日間ほど講習を受講する必要があります)
基本的にクレーン車免許とこの玉掛け資格はセットで持っている方が多いのではないかとおもいます。(私も両方保有しております)
取得するのには時間がかかりますが、それだけ大切な資格だということをご理解していただけますと嬉しいです。
いかがだったでしょうか。
今回はクレーン車はほとんど登場しておりませんが、クレーンに関わる大切な資格だということで紹介させて頂きました。
この記事を読んで少しでもクレーン車に興味を持って頂けますと嬉しいです。
今回はこの辺で。
では。