
みなさんこんにちは。
今回は街で見かける「クレーン車」について紹介していきたいと思います。
今回も動画にしていますので最後にリンクを貼っておきますね。
1.移動式クレーン(クレーン車)とは
移動式クレーンとは"日本の法令定義区分のひとつであり、当該クレーンのうち狭義のクレーン、デリック、揚貨装置以外のもので、不特定の場所へ移動して作業できる構造のもの(wikipediaより抜粋)"と定められています。
よく分からないと思うので、下に図を貼っておきます。
図は自作なので、見た目が汚いのはご勘弁下さい。
「移動式クレーン」の条件として必要なのは「不特定多数の場所へ移動できる構造のもの」ということです。
つまりタイヤなどが付いていて、自力で移動する機構を持ったもののみが「移動式クレーン」に分類される訳です。
次に代表的な「移動式クレーン」について紹介していきます。
2.移動式クレーンの車両紹介
・車両積載型トラッククレーン
市販のトラックの上に載せられている(架装されている)ものが「車両積載型トラッククレーン」となります。
俗に「ユニック車」といわれるやつです。
ちなみに「ユニック」というのは商標登録された商品名なので正しくは「車両積載型トラッククレーン」と呼ぶのが正しいです。
吊上げ荷重は免許区分上3t未満のものが多いです。(免許区分についてはまた解説します)
特徴はトラックの荷台が残されているので、トラックとしても使用可能です。
自分で荷物を吊上げて、自分の荷台に載せて運搬するというのが可能な訳ですね。
このクレーンは「ラジコン」で動かせるものが主流になっています。
なので、色々な作業を同時にしやすくなっています。
クレーンから離れて作業出来るので、クレーンが仮に転倒しても自分は巻き込まれずに済むということも言えますね。
このクレーンは本当によく見かけるのですぐ見つけられると思います。
・トラッククレーン
先程紹介した「車両積載型トラッククレーン」もトラッククレーンの一種なのですが、ここではトラックの運転席とクレーンの運転席が別々に備えられているものについて解説します。
このクレーンはトラックの荷台部分が全てクレーンとなっているため荷物が載りません。
トラックシャーシがベースなので高速道路は走行可能です。
吊上げ荷重は20tほど吊れるものも存在しますが、大体が5t未満のものです。
これも免許区分上の問題ですね。
ただ現在日本ではこの後解説する「ラフテレーンクレーン」と「オールテレーンクレーン」が主流になっているので、あまり製造されていません。(一応製造されています)
ただ今でも街中で走っている姿は見ることができると思います。
・ラフテレーンクレーン
クレーン車といえばこの「ラフテレーンクレーン」といえるほど日本で主流になっているクレーン車です。
車両の運転とクレーンの運転を同じ運転席で行えるのが特徴です。
車両の公道での運転については「大型特殊車両」の運転免許が必要です。
「大型自動車」の運転免許では運転できません。
吊上げ荷重は5t~100tぐらいまでのものが主流になっています。
この「ラフテレーンクレーン」は4輪操舵機構を備えているので、悪路、狭路の走行性能が高いです。(ちなみに6輪操舵とかできるものもあります)
「大型特殊車両」なので高速道路は走行できません。
ただし、高速道路上でクレーン作業することはあります。
現在日本では主流になっているクレーンなので最近の進化はすさまじく、操作は制限されますがラジコンで操作できるものまで存在します。
こんな大きいクレーンがラジコンで動いているのを見ると若干怖い気もしますが…
・オールテレーンクレーン
こちらも現在日本で主流になってきているクレーンです。
めちゃくちゃ大きいクレーンで、吊上げ荷重は100t以上のものがほとんどです。
ちなみに車両とクレーンの運転席は別々です。
運転席が別々だからかは知りませんが、このクレーン車で公道を走行する時は「大型自動車」の免許が必要となります。
日本の運転免許制度ってめんどくさいですよね…
この車両も複数輪操舵が可能なので悪路、狭路の走行性能は高いです。
あまりに重たいので、クレーン車の状態で公道を走行することは許されておらず、クレーン部を分解しないと公道を走行できません。
ちなみに分解した部品はトラックやトレーラーで別に運搬する必要があります。
これだけ大きなクレーンなので仕方ない部分もありますが、このクレーンが必要な時はそれだけ大きな仕事であることが多いです。
橋や高速道路を架ける現場なので見ることができるかもしれませんね。
・クローラクレーン
最後に紹介するのが「クローラクレーン」になります。
走行部がショベルカーのように無限軌道(クローラ)になっているのが特徴です。
ちなみに俗にこの機構を「キャタピラ」といいますが、これも商標登録されたものですので、正式名称ではありません。
特徴はなんといっても無限軌道のおかげで設置面積も広く軟弱地盤での作業に向いています。
当然公道は走行できませんので、分解して走行体もろとも別に運搬する必要があります。
ただその分吊上げ荷重もすさまじく日本では7t~3000tクラスが主流となっています。
いかがだったでしょうか。
他にも「車両積載型クレーン」や「ラフテレーンクレーン」がベースとなって船の上や鉄道軌道上で作業できるものもあります。
少しでも「クレーン車」というものに興味を持って頂けましたら嬉しいです。
またクレーン関係の記事は上げることがあると思いますのでよろしくお願いいたします。
では。