
みなさんこんにちは。
「クレーン」を運転するには免許が必要だろうなと思われる方が大多数だと思います。
その通り「クレーン」を運転するには免許が必要となります。
その免許制度について今回解説させて頂きます。
1.クレーンの運転免許制度はややこしい!?
まずはこちらをご覧下さい。
自作の図なので見た目が汚いのはご容赦下さい。
「クレーン」というものは上の図のように分類されているのですが、ややこしいことにこれら全てを運転できる免許は存在しません。
操作するクレーンに応じた免許が必要となります。
必要な免許は下記の通りとなります。
揚貨装置‥揚貨装置運転士
デリック‥クレーン・デリック運転士
移動式クレーン‥移動式クレーン運転士
クレーン(狭義)‥クレーン・デリック運転士
ここで書かせて頂いたのは全て最上位免許です。
最上位ということは下位免許が存在するものがあります。
ここでの上位免許、下位免許というものは「クレーン」の吊上げられるt(トン)数に対応しています。
当然、下位免許よりも上位免許の方が吊上げられるt(トン)数が多いということになります。
この記事では、「移動式クレーン」の免許制度について詳しく解説させて頂きたいと思います。
2.移動式クレーンの運転免許制度について
前回の記事でクレーン車の吊上げt(トン)数が3t未満や5t未満で免許区分上~
とお伝えしましたが、大体はこの上位免許、下位免許で分けられているからです。
(前回の記事は以下からご覧下さい)
記事:クレーン車とはなんぞや!? ~色んなクレーン車について紹介!!~
つまり吊上げt(トン)数が抑えられているということは下位免許で運転できるものだということになります。
「移動式クレーン」の運転免許について紹介していきます。
・移動式クレーン運転の業務の特別教育
移動式クレーンの運転資格で一番下位の資格に値するのが「移動式クレーン運転の業務の特別教育」になります。
運転免許制度についての紹介と言いましたが、正確には「免許」ではありません。
この特別教育を修了することによって、最大吊上げ荷重1t未満のクレーン車の運転が可能になります。
この講習は様々な場所で受講することが出来ますが、学科および実技で13時間ほどの講習を受講する必要があります。
1t未満のクレーンの運転は可能になりますが、注意しないといけないのは、1t以上の荷物を吊上げないといっても、最大吊上げ荷重が1t以上可能なクレーン車の運転はできません。
最大吊上げ荷重が1t未満のクレーン車も存在しますので、そちらの運転は可能になります。
・小型移動式クレーン運転技能講習
移動式クレーンの運転資格として真ん中に値するのがこの「小型移動式クレーン運転技能講習」です。
こちらも正確には「免許」ではありません。
この講習を修了することによって最大吊上げ荷重5t未満のクレーン車を運転できるようになります。
こちらの講習も様々な場所で受講することが出来ますが、講習時間は学科および実技で20時間ほどとなります。(他の保有資格や経験などで講習時間が短くなることがあります)
最大吊上げ荷重が5t未満ですからほとんどの「車両搭載型トラッククレーン」と一部の「ラフテレーンクレーン」の運転が可能になります。
先に挙げた2つの資格はあくまで特別教育や講習となるため、終了さえすれば良い訳ですから特別難しいものでもありません。
・移動式クレーン運転士免許
最後に紹介するのは最上位免許である「移動式クレーン運転士免許」です。
これは日本で労働安全衛生法に定められた「国家資格」となります。
当然「国家資格」ですから、前述の2つと比べて取得するのは難しくなります。
各地の安全衛生技術センターにて年に数回行われている免許試験にて「学科試験」および「実技試験」に合格する必要があります。
ただ「実技試験」においては自動車免許と同じく、全国各地のクレーンの教習所にて実技講習を修了することによって免除されます。
(自動車免許を教習所で受けるか免許センターに飛び込みでいくかのような感覚と同じです)
最上位免許ですので、クレーン車の最大吊上げ荷重に制限がありません。
つまり全ての「移動式クレーン」を運転することが可能になるということです。
・補足
ちなみにクレーン車の中には最大吊上げ荷重が0.5t(500kg)のものが存在します。
しかし実は「0.5t未満」のものはクレーンの法規上「クレーン」には分類されません。
よって最大吊上げ荷重0.5t未満のものを運転するのには特に資格の必要はありません。
まあ0.5tでも十分危険なので資格があるのに越したことがありませんが…
ちなみに以上で紹介した資格はあくまで「クレーン車」を運転する免許です。
クレーン車に荷物を引っかける(玉掛けといいます)業務は別の資格が必要となります。
自分で玉掛けしないなら資格の必要はありません。
玉掛けの資格には1t未満の「玉掛けの業務の特別教育」と1t以上の「玉掛け技能講習」の2種類が存在します。
1t以上が玉掛け可能な「玉掛け技能講習」を受講しておけば下位免許の「玉掛けの業務の特別教育」を受講する必要はありません。
一応「小型移動式クレーン運転技能講習」と「移動式クレーン運転士免許」には「玉掛けの業務の特別教育」は付属してきますが、どちらにしても1t以上は不可ですので、場合によっては講習を受講する必要があります。
紹介は以上となります。
ここで「3t未満」の区分は何?と思った方もいるかもしれませんが、これにも一応理由があります。
その説明はまたの機会にさせて頂きます。
この記事も動画にする予定ですので、トップページのチャンネルリンクからご覧いただければ幸いです。
またクレーン関係の記事は書きます。
では。